建築主とは、家族のこと、子育ての考え方についてたくさん話をしました。その中で特に大切にしたテーマは、「家族の時間」と「遊び心」。子供たちがまだ小さい子育て中の時間、そのあとの成長、巣立ち後の将来。その時々の時間を家族みんなで楽しめる家を目指して設計をしました。
この家は、変化します。空間の使い方を一つに限定せず、様々な使い方ができる。自分たちで考えながら新しい空間を作り出すことができます。
子供部屋には、大きなハコを3つ設置しました。このハコは移動可能な子供たちのベッドであり、空間を仕切るアイテムでもあります。3つのベッドのレイアウトを変えることで、子供部屋は色々なかたちの遊び場へと変化します。ハコに開いた穴を通って隣のハコへ移動したり、箱の上をに登ったり、中でゴロゴロしたり。ハコは子供たちの遊び場であると同時に、それぞれの領域でもあり、お気に入りの空間を作り出すことができます。
LDKには長さ9mのハコの集合体があります。このハコは、収納を兼ねた作業台であると同時に、登ったり座ったりすることができるようにしてあります。自分のお気に入りの場所を見つけて読書をしたり、みんなが集まった時にはベンチとしても利用できます。キッチン、土間の空間、どこにいてもお互いを感じることができます。
用途/専用住宅
構造/木造2階建
所在地/静岡県駿東郡長泉町
家族構成/夫婦+子供3人
竣工/2017.12
設計/アトリエ奏(村井之俊+村井藍)
@メディア掲載
・TV放送 住人十色(MBS毎日放送・SBS静岡放送) 2019年10月
・雑誌掲載 ESSE(フジテレビジョン) 2018年12月
・TV放送 渡辺篤史の建もの探訪(テレビ朝日) 2018年10月
・雑誌掲載 住まいの設計 2018年9月
設計時に打ち合わせで使用した建築模型です。
たくさんのハコと土間のあるリビング
手前の土間を経由して外のデッキへとつながる。
キッチンを住宅の中心に配置。
空間全体を見渡せるオープンなキッチン
間取りを自由に変化できる楽しい子供部屋
子供部屋の家具。一つ一つがベッドになっていて、共用の大空間の中に個々のプライベート領域を作り出している。
登れる子供部屋。ボルダリングの壁を登ると、その先は秘密基地。
階段上の通路。
少し特殊なガルバリウム鋼板を使用したシンプルな外観。
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