富士の住宅

敷地は建物が立ち並ぶ地域の角地にあります。周囲の視線や光を建物内に取り込むことと、駐車スペースなどの外構スペースの有効利用の手段として、敷地に対して斜めに建物を配置する計画としました。玄関を入ると、庭まで続く通り土間があります。この土間空間は、玄関としての機能以外にも、縁側のような使い方をして来客に対応できてコミュニティーの場となります。土間の端から端まで続く机と飾り棚は、創作活動が好きな子どものために設けました。ものづくりを楽しんだり、完成した作品を飾ったりして楽しめるようにデザインしましたが、家族みんなのワークスペースなど、活躍の機会が多そうな場所です。リビング・キッチンエリアを土間エリアと隣接させることにより、土間がカフェのように使えたり、一体化して大人数の集まりにも対応できる空間となっています。
2階へ昇る階段の先に、大きな窓と本棚のあるスペースがあります。家族みんなの好きな本を置いて、ちょっとした読書コーナーとして楽しむことができます。ここにある大きな窓からは、建物を斜めに配置したことと角地の特性により、隣の建物と干渉することなく、大きな窓から空を望むことができます。
外壁の左官仕上、玄関床やキッチン壁のタイル仕上、内部の壁や天井の漆喰仕上、土間床など、この住宅は左官職人さんによる施工が多いです。旦那さんが左官職人であり、設計段階から左官仕上をたくさん取り入れた住宅というのが、ひとつの大きなテーマとなっていました。左官仕上の素材感や空気感が、趣のある雰囲気や心地よい空間を作り上げてくれています。家族のための住宅という言葉がとてもよく似合う、やさしい建築が完成しました。

用途/専用住宅
構造/木造2階建
所在地/静岡県富士市
家族構成/夫婦+子供2人
竣工/2023.7
設計/アトリエ奏(村井之俊+村井藍)


コンセプトインテリア模型。工作や絵を描くことが大好きなお子様が、ものづくりを楽しんだり、完成した作品を飾ったりして楽しめるようにデザインした土間空間。


外観はシンプルながらも、左官材料を使用することにより、趣のある雰囲気を出しています。


青空が良く似合う、左官仕上の外壁。


土間の端から端まで続く机と飾り棚。創作を楽しんだり、勉強したり、仕事をしたり。


通り土間では、作業をしたり、おしゃべりをしたり、楽しみ方は色々です。
壁や天井の漆喰仕上は左官職人である旦那さんが施工されました。左官仕上の素材感や空気感が、心地よい空間を作り上げてくれています。


リビングと土間空間を繋げることにより、広い空間を実現できました。広い空間の使い方ができるので、家具のレイアウトの自由度も上がっています。


キッチンも土間に近いので、土間空間を縁側カフェのように使うこともできます。


飾り棚もあるキッチンスペース。好きなものに囲まれると、生活が楽しくなります。


左官で仕上げられた洗面空間の壁と洗面台。


トイレの壁です。旦那さんの遊び心で仕上げた漆喰の壁です。中に入ってみると、とても良い雰囲気です。


階段の先にある本棚のあるスペース。大きな窓からは空を見ることができて、とても気持ちのよい空間になりました。

 

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